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無痛分娩について

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無痛分娩について

産婦人科吉田クリニックで行っている無痛分娩

妊婦健診

無痛分娩教室を受講し、選択的分娩誘発・硬膜外鎮痛法に関するリスク/ベネフィットに関して充分に理解し書面による同意書を35週までに提出した方に硬膜外鎮痛法による分娩管理を行っております。
同意書はこのページの下部にあります。

1 選択的分娩誘発(計画分娩)

分娩準備状態を確認したうえで39~40週に分娩を計画しますが分娩準備が整わない場合(頸管熟化不全)には母児に問題が生じない限り41週までは待機する場合もあります。

40週以降は周産期リスクが増すため分娩を計画し、誘発前日PM7:00頃に入院してミニメトロ(40ml)を頸管内に挿入・留置致します。翌朝AM5:00よりプロスタグランジンE2錠を子宮収縮モニター下に1時間ごとに3~4錠服用して頂きます。

AM8:30頃に硬膜外カテーテルを挿入・留置し、子宮収縮の状態を確認したうえでオキシトシン点滴静注により分娩誘発(促進)を始めます。1時間ほどで痛みが強くなりVAS(visual analogue scale、視覚的疼痛尺度)が3~4(最大の痛みを10、痛みなしを0として)程度となれば局所麻酔薬を投与し無痛分娩による分娩管理を行います。

2 硬膜外鎮痛法の実際

・あらかじめ静脈ルートを確保し膠質液を500ml投与し、その後は晶質液を持続投与します。分娩経過中は禁飲食ですが少量の清澄水の飲水は可能です。

・左側臥位で背中を十分に丸めた姿勢をとり(両肩をベッドに垂直にして体幹を捩らないように)、清潔操作により硬膜外穿刺を行います。

・皮膚、皮下組織に局所浸潤麻酔を行ったのち、18ゲージのツーイ針を正中からアプローチして慎重に棘上靭帯、棘間靭帯と進めます。棘間靭帯でベベルを頭側に向けて生理食塩水3ml程度を吸引したシリンジを押し込みながら慎重に針を押し進め黄色靭帯の抵抗消失により硬膜外腔を確認します。

・カテーテルは頭側に3~5cm挿入・留置して血液、脳脊髄液が吸引されないことを確認します。

・VASで3~4程度の痛みを感じるようになったら再度、血液、脳脊髄液が吸引されないことを確認したうえで右臀部をタオルで挙上し0.25%ブピバカインを3ml注入します。3分間待って口唇のしびれ感、金属味、不穏、興奮、耳鳴などの局所麻酔薬中毒の初発症状がみられないこと、下肢の可動性から脊髄くも膜下腔への投与となっていないことを確認してさらに3ml +3mlを分割追加投与します。

・10~15分ほどで痛みは軽減し、臍部の高さ以下の冷感が消失すれば鎮痛効果は得られていると判断でき、30分後からオピオイドを添加した低濃度局所麻酔薬(0.08%ロピバカイン+2μgフェンタニル)を10ml/時間で持続投与します。

・局所麻酔薬投与後30分間は少なくとも5分毎に血圧を測定し胎児心拍数所見に異常のないことを確認します。持続投与中は交互に左右の側臥位として仰臥位低血圧を避けます。

・分娩第2期近くで児頭の下降に伴い恥骨部、仙骨部の痛みを訴えることがあり、局所麻酔薬の追加投与が必要になることがあります。

・分娩第2期の努責は十分に可能ですが、痛みがないため触診、モニター所見により努責のタイミングを指導します。胎児心拍数所見によっては分娩を急ぐため吸引/鉗子娩出術が必要になり、その際に腹部を圧迫する子宮底圧迫法を併用することがあります。

・なお分娩経過中はトイレに行くことができないので2~3時間ごとに内診による分娩経過の評価の際に定期的に導尿します。

・胎児娩出後の会陰切開部縫合などの産科処置の際も痛みはありません。

・硬膜外カテーテルは分娩後に抜去し2時間は分娩室で経過を観察いたします。

・硬膜外鎮痛効果は2~3時間で消失しますが帰室後に最初にトイレに行く際は必ず助産師、看護師が付き添います。

3 硬膜外鎮痛法による分娩管理の診療実績

2016年1月1日~2017年8月31日までの20か月の総分娩数は1925例で帝王切開術は215例(帝切率 11.2%)でした。硬膜外鎮痛法による無痛分娩例は300例(初産129例、経産171例)、15.6%でした。クリニックの無痛分娩希望例は20%近くであり5%の例は夜間・休日などに陣痛発来したため硬膜外鎮痛法による無痛分娩を提供できませんでした。

1)硬膜外穿刺・カテーテルのトラブル
カテーテルのスムースな挿入が困難であった12例(4.0%)、カテーテル挿入時に血液が逆流した8例(2.7%)、バックフローのため硬膜穿破が疑われた3例は再穿刺を行いました。1例(0.3%)が硬膜穿破後頭痛を発症し頭低位での安静臥床、鎮痛薬投与を必要としましたが7日間の入院で軽快退院となりました。

2)血圧低下
局所麻酔薬投与後30分間に血圧が低下した例はみられませんでした。

3)鎮痛効果
鎮痛効果が得られなかった8例(2.7%)は再穿刺により、また5例(1.7%)はカテーテルを1cm引き抜くことで鎮痛効果を得ることができました。
6例(2.0%)がTh10~Th4の高位鎮痛となり1例は鎮痛域がまだらで硬膜下投与の可能性があったため再穿刺としました。

4)胎児心拍異常
局所麻酔薬投与後30分以内の胎児心拍異常は18例(6.0%)にみられ6例が子宮筋過緊張・頻収縮に起因する遷延一過性徐脈で12例が遅発/変動一過性徐脈(上肢で測定した血圧は正常であり、総腸骨脈圧迫に起因する絨毛間血流低下が原因と思われた)でした。いずれも一過性の変化で子宮内胎児蘇生、急速遂娩を要した例はありませんでした。
なお硬膜外鎮痛開始前より一過性徐脈がみられた3例は胎児機能不全の適応で帝王切開術となりました(過短臍帯、辺縁付着臍帯、臍帯巻絡による臍帯循環障害が原因)。

5)分娩予後
初産129例で42例(32.6%)が自然経腟分娩、72例(55.8%)が吸引/鉗子による分娩でした。吸引/鉗子の適応は24例(33.3%)が胎児心拍数所見による介入で48例(66.7%)が努責不良による選択的な介入でした。分娩第2期時間の平均は54分(6~219)分で60分の例が62.6%、60~120分が32.7%、120分が4.7%でした。
分娩時出血量≧500mlは32例(28.1%)、≧1,000mlは6例(5.3%)で、輸血例はありませんでした。帝王切開術は15例(11.6%)で12例の適応が分娩遷延・停止でした。帝王切開となった例の多くは高齢、低身長、肥満、児頭骨盤不均衡疑いなどであり硬膜外鎮痛法による分娩異常とは考えられませんでした。

経産171例の分娩予後は134例(78.4%)が自然経腟分娩、吸引/鉗子による分娩が37例(21.6%)で14例(38.8%)が胎児心拍数所見による介入、23例(62.2%)が努責不良による選択的な介入でした。
分娩時出血≧500mlは36例(21.3%)、≧1,000mlは2例(1.2%)で輸血例はありませんでした。

児頭回旋異常(後方後頭位、反屈位、低在横定位)の頻度は4.3%(13/300例)でした。

自然経腟分娩例の臍帯動脈血pHは7.28±0.06、選択的吸引/鉗子分娩例は7.30±0.06、胎児心拍数所見による介入例は7.16±0.08でいずれも児の予後は良好で新生児治療を要した例はありませんでした。

なお硬膜外鎮痛法による重篤な母児の合併症はみられませんでした。

6)産婦の満足度
再穿刺にもかかわらず血液の逆流を認めた2例と鎮痛効果が得られなかった2例(300例中4例、1.3%)は硬膜外鎮痛法による無痛分娩を断念せざるを得ませんでしたが他の298例の満足度はほとんどが5段階評価(1:とても痛くて不満足~5:ほとんど痛みなく非常に満足)で4あるいは5でした。

無痛分娩をお考えの方

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無痛分娩について下記説明書を必ずお読み下さい。
無痛分娩の同意書をダウンロードして頂き、初診来院時にご持参下さい。

【リンク】 日本産科麻酔学会(JSOAP)

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